「真に地域や社会に必要とされる起業家」はどのようにして育まれるか?2018年コーディネーターが振り返る

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事務局長の小池です。今回は、東海若手起業塾の支援者が、どんなことを大切にしながら起業家支援に携わっているかをご紹介します。

 

先日、第11期のコーディネーターと事務局スタッフで「振り返り会」を開催しました。

メンターの佐藤真琴さんにアドバイスを受けながら、東海若手起業塾の支援とは何か、また東海若手起業塾の支援者に求められる要素とは何か、を改めて考えました。

 

東海若手起業塾

 

(佐藤真琴さんは、このために、わざわざ浜松から来ていただきました。感謝)

 

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11 期の複数のケースを分析して、東海若手起業塾の支援プロセスにおける起業家の成長を可視化しました。

 

東海若手起業塾の支援のゴールは「真に必要とされる起業家」を育てることであり、よい事業をつくることではありません。

 

この地域にとって本当に必要な変化を生み出す起業家となるには、起業家自身が「変化し、成長し続けること」が何よりも必要だ、と私達は考えています。

 

なので、ものすごく「人の成長」にフォーカスしたプログラム、ということでもあります。
これが、同様の他地域のプログラムに比べて、東海若手起業塾が「泥臭い」「丁寧」「地味」だと言われる所以でもありますし、卒業後もお互いが関わりあう「生態系」が生まれる要因の1つでもあります。

 

前置きはこの程度にして、その可視化されたプロセスはこちら。

 

東海若手起業塾

 

事業や活動が伸び悩んだり、壁に当たったと感じるとき、起業家本人の思考や行動のパターンは左側の「停滞のループ」に陥っていることが多いと感じます。
事業や活動に忙しく、必要なアクションを起こせず、孤独で腹を割って相談できる相手がいない…という状況は、多くの起業家が陥りがちですが、そのことがさらに起業家を停滞させてしまいます。

 

そんな起業家が右側の「成長のループ」に移行すると、失敗を恐れずに行動し、質の高いアウトプットが発生する。気付きや学びを活かして、さらに自らのあり方や事業を変化させることができる。
さらに、そのプロセスを通じて「自らが自らを変化させた」という経験が生まれ、このことが自信を生み、さらなる課題にチャレンジできるようになります。

 

左側から右側への移行のためには、東海若手起業塾では、支援者側が「フタを開ける」「見立てをつくる」という、2つのアクションを行うことだと考えています。

 

起業家とともに、これまでいろいろなものをしまっていた箱の、閉じていた「フタを開ける」こと。
それは、自分自身の想いや、見て見ぬふりをしていた事業の課題や、言語化されていないモヤモヤかもしれません。このときに支援者がすべきことは、起業家としっかり向き合い、強固な信頼関係を築くことです。

 

また、質の高い「見立てを作る」ことも重要です。
これは、起業家本人、事業、社会課題のそれぞれに対して、本質的な洞察や理解をもとに、成長のループを回すことができる仮説や、具体的なアクション、問いを作ることです。

 

さらに支援者には、最終的にはこの成長ループを起業家本人の力で回し続けるようになることが求められます。
そのためには、起業家本人をエンパワーメントするための、また起業家自身が周囲をエンパワーメントできるようになるための、様々な技術が必要です。

 

長くなってしまったので、今回はここまで。

 

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いよいよ来週から、12期生の募集説明会を各地で開催します。「真に必要とされる起業家」を目指す、多くの起業家さんやその卵の方々にお会いできることを、楽しみにしています。

 

募集説明会についての詳細はこちらをご覧ください。

 

また、コーディネーターも募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。