【イベントレポート】16期最終報告会を開催しました!

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3月9日に、東海若手起業塾16期の最終報告会をブラザーミュージアムにて開催しました!

起業家たちは9月のキックオフを皮切りに約半年間、地域の課題の本質や、その当事者やステークホルダー、またメンター陣から投げかけられる様々な角度からの問い、それから自分たち自身と真剣に向き合ってきました。

最終報告会では、起業家からこの半年間でのアクションやそれによって生まれた気づき、そしてそれらを元にした今後の事業展開や目指すビジョンについて、プレゼンをしてもらいました。

発表の後、チームメンバー(コーディネーター・プロボノ)からは起業家への応援メッセージを、それからメンター陣からは激励のコメントを頂戴しました。

 

 

トップバッターは、総合型スポーツクラブの運営や教育を通して、「子供の”できるんだ”という自信を育み、課題に挑める人を育てる」をビジョンにもつNPO法人プライズアウト代表理事の樋口明日美さん。

樋口さんは、入塾当初、自分の感じているビジョンを言語化して周囲に伝えることが難しく、人を巻き込んでいくこと、自身の属人的スキルを他コーチに共有していくことなどに課題を感じていました。しかし、半年間を通して、チームで課題を言語化して整理し、事業の軸をたたき上げることができ、起業家パートナーと共通の認識も持てるようになりました。今後は活動拠点やコーチ数を増やしたり、経済的な事情でスポーツを諦めている家庭にもスポーツができる機会を作るため、樋口さんの挑戦は続きます。

 

 

2人目は、フィリピンで路上生活する子供の自立支援や教育など、現地の社会課題に取り組み、今年度からはその経験を活かして日本で活動をしている特定非営利活動法人アイキャン専務理事 福田浩之さん。

入塾当初は団体が財政的に苦しい状況からスタートで、新規事業の立ち上げを中心とした経営再建が主な目標でした。周囲の協力や持ち前のパッションで塾生期間中に黒字化を達成し、団体の目指している「外国人ルーツの人々が住みやすく、活躍できる社会を作る」を達成するための次の構想に着手できました。まずは外国籍住民の比率が高い岐阜県美濃加茂市で「多文化共生自治社会」モデルを作る、そのために交流の場や仕組みを作っていきたいと語りました。周囲を巻き込みながら事業を更に成長させていくことでしょう。

 

 
 

3人目は、十人十色な「生きたい人生」を形に出来る日本を作るため、架空都市で小学生が仕事やサービス作りに自由に挑戦できる「ぎふマーブルタウン」を運営する一般社団法人Nancy代表理事 住田涼さん。

特別研究員として入塾し、半年間ビジョンを問い続けて、事業と自分自身と向き合ってきました。関係者とのコミュニケーションの進め方や周囲を巻き込んでいくことに苦戦していた住田さんでしたが、「子供が自分の夢ややりたいことで稼いでみる」という目標に、新規事業のプロトタイプにチャレンジしました。そこから得た知見を元に、ブラッシュアップをし、今後は既存事業と、新規事業の柱で未来の目標を見据えます。

 

 
4人目は、「”楽しく仕事しよう”と思える社会」を作るため、静岡県草薙地域で民間事業として街づくりに携わる草薙カルテッド事務局の小林祐介さん。
 
小林さんは入塾当初は、社会人2年目の時に体調を崩した経験からメンタルヘルスに関わりたいと目標を掲げていました。しかし、メンターとの壁打ちやチームでの議論で、本当にやりたいのは「”楽しく仕事しよう”と思える社会」作りなんだと明確になっていきました。小林さんは自分自身は何がやりたいのかを問い続ける半年間だったと振り返ります。そんな社会作りを達成するために、街のビジョンを民間事業として率先して考え、地域の中のポジション作り、事業を形にするために想いを伝え続けてきました。学生リーダーの育成にも尽力してきたそうです。今後も草薙地域で更なるインパクトを与えるため、小林さんの挑戦は続きます。

 

 
 
 
 
 

起業家の発表の後は、チームメンバーのコーディネーターとプロボノから、それからメンターとブラザー工業株式会社 CSR&コミュニケーション部主務の出原氏からも一言ずつコメントをいただきました。

起業家パートナー、コーディネーター、プロボノからは

「理念を中々伝えられず、ひとりでやっていたところを、最終的にはチームとして巻き込んでいけたのが良かったと思います」

「日本の子供たちとスポーツと関わる方をこの起業家さんが変えていっているんだなと思える日が来ることを期待しております」

 

「自分ができることではなく、社会が必要としていることは何かと、客観的に考えられるようになったのは成長だと思います」

「新しい地域のコミュニティに入って、どこへ行っても受け入れてもらえるというのは凄く強みだと思いました。活かしてほしいです」

などのコメントを頂きました。

 

 

 

メンター陣からのフィードバックでは、

「数値目標を根拠持って設定できたので、今後もモニタリングしながら改善していってほしい」

「人を巻き込んでいけたのが感動しました」

「出た成果をいかに地域に活用していくか、今後そういう観点を持っていけるといいですね」

「今後、地域のフェーズが変わってきて、課題も変わってくる。そこも見据えて、最適解を考えていければと思います」

「明確な仮説や方向性も出来たと思うので、受益者である子供や親御さんのヒアリングをもう一度チャレンジして欲しいと思います」

「企みを持って、それを伝えた方がいいと思います。この地域の10年後、20年後を一番考えているんだというのを発信して欲しいと思います」

最後まで愛のあるメンター陣のフィードバックでした。

 

最後に、ブラザー工業株式会社 常務執行役員 伊藤氏からもコメントをいただきました。

「事業を拡大していくよりも、皆さんの想いや愛情を、誰に注ぎたいか、誰に伝えたいかが重要で、できたという達成感を覚えてもらうのが一番だなと。元々あった理想や愛情がお金・組織・運営に注がないといけなくなり、苦しくなってくることも出てくるのではないかと思います。そんな時は誰かの力を借りるというのが大事なので、人を巻きこんで進めていただければと思います」

という起業家を想った温かいのメッセージをいただきました。

当日のライブ配信の模様はアーカイブを残しておりますので、下記リンクからぜひご覧ください。
16期最終報告会アーカイブ動画:

午後からは、社会を変える起業家として、明日以降どのように事業を進めていくかブラッシュアップをする戦略会議が行われました。

それぞれメンター陣との壁打ちを行い、ビジョンを達成するための次の一手を深めていきました。

 
発表後にこうした機会があることで、さらに自身の事業を深め、次に何をすればよいのかが明確になったのではないでしょうか。

最後には、全員で輪になり16期の振り返りをしました。

 

さて、支援期間は終了しましたが、ここからが本当のスタートです。東海地方を、そして社会を変えていく一歩一歩が始まります。
今後の16期の起業家の活動は、随時東海若手起業塾のホームページやSNSで紹介していきますので、ご期待ください!

また春から来年度17期生の募集が始まります。東海地方でご自身のチャレンジを加速させたい方、ぜひエントリーをお待ちしております!

(事務局 吉川)