5月16日(水)に、岐阜県のNPO法人G-net事務所で募集説明会を開催しました!
岐阜市だけでなく、各務ヶ原市、本巣市、白川町など遠くからもお越しいただきました。参加者の皆さんの事業分野も、接骨院、農業、教育、学童など多岐に渡っていました。
岐阜会場のゲストは、東海若手起業塾に4期・5期で参加された奥田順之さん。NPO法人人と動物の共生センターの代表を務め、飼い主が犬のしつけを学ぶしつけ教室「ONELife」を岐阜で運営しています。
今回は、奥田さんがどのように起業家として殺処分問題に取り組んでいるのか、またその中で大切にしていること、そして東海若手起業塾をどのように生かしたのかをお話いただきました!
大学時代から殺処分問題に取り組み、その当時から殺処分をライフテーマだと感じていた奥田さん。しかし、殺処分問題はそのまま事業になるわけではないと考え、東海若手起業塾にエントリーします。
「そこでまず出あったのが、東海若手起業塾で必ずぶつかる『社会を変えたいのか、良さそうなことをしたいだけなのか?』というメンターの川北さんの問いでした。
こういうの面白そう!やったら良さそう!というのが事業の始まりなこともあるけれど、それだけでは、社会に本当に必要とされているものではなく、独りよがりになってしまいます。東海若手起業塾はそういうことを突っ込まれつつ、自分の中で思いを整理してアウトプットしていきました。」
「もう1つ東海若手起業塾で研ぎ澄まされたのは『誰のどんな困りごとを解決したいですか?』という軸でした。この答えに対してこれだ!っていうのを研ぎ澄まして示せると、サービスが変わっていくと思います。」
ここで奥田さんは、東海若手起業塾で原型を作ったという、余剰犬猫問題の構造を蛇口で表したイラストを紹介。
「犬猫の殺処分数は減少してはいるんですが、問題が解決されているわけではなくて、問題が”見えない化”されているだけなんです。
実は、今殺処分はせずに保護施設で育てるケースが増えているんですが、実態はすごく狭いところで溢れんばかりの猫がいる環境。それで本当に解決されたと言えるのか?という問題が出てきますよね。殺処分問題は、ペット産業や飼い主、野外繁殖などの”蛇口の下”をしめていかないと解決しないんです。」
そして話題は、問題構造の調査の話に移ります。
「問題の大きさ、つまりこのイラストでいう蛇口の水量はどれくらい?ということを調べて『ペット産業のCSR白書』というのを出しました。
東海若手起業塾のOB・OGの人たちは、期間中にはやらないですが、卒業後に白書を書いた人は結構います。提言していかないと社会は変えられないよね、となるからだと思います。」
強い問題意識から、問題構造の調査や起業へと舵を切ってきた奥田さん。
「商品ありきではなく、社会課題ありきで事業を行っている」そうですが事業性を確保した上で解決できるか?ということも重要視しています。
「猫の方が処分が多いですが、今は事業を犬メインでやっています。これは経済合理性の上での判断で、猫は飼い主がいない子が多い上に、飼い主もお金を使って買う人が少ないんです。犬の方がかけるお金が2倍〜3倍あり、犬は飼い主不明の子が少ないので、事業としてやる上でまず最初は犬の方でという選択をしました。」
「今は、高齢の方が飼えなくなった時に、引き取とるサービスを開発中ですが、これも軌道に乗ってるからこそできることだと思います。
初めは確実にお金を得られるところを攻めないといけないので、事業性を確保しつつ、どこをやるのか?ということも東海若手起業塾で取り組んだことです。」
社会問題と事業を戦略的に両立させて来た奥田さんから、最後に参加者の方に向けてメッセージがありました。
「一生懸命やればできる、というのは間違いだと思っています。
毎日勉強せずに一生懸命やっていて大谷翔平になれるでしょうか?彼の中には、戦略や効果的な練習、マインドセットがありますよね。努力+戦略、努力+高い視座が必要。そういう意味では、東海若手は努力する場ではなく、視座戦略の場だと思います。」
殺処分問題へのはっきりした問題意識を持ち、戦略的に事業を展開してきた奥田さんの話に、参加者の方からも「奥田さんの蛇口のモデルや白書などが参考になった」などの声をいただきました!
そんな「視座戦略の場」である東海若手起業塾では、11期の個別相談会を6月8日まで開催しています。個別相談会はオンラインで行うため、岐阜県を含め、遠方に住んでいらっしゃる方の参加も歓迎です!
「問題意識を感じている問題に、事業として、起業家として取り組んでいる」「もっと戦略的に事業を展開して社会を変えたい!」という方は、ぜひご参加ください。詳細はこちらからご覧ください。