東海若手起業塾OBOGインタビュー Vol.4 北村隆幸さん(NPO法人せき・まちづくりNPOぶうめらん)

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東海若手起業塾OBOGインタビュー
Vol.4 北村隆幸さん(NPO法人せき・まちづくりNPOぶうめらん 代表理事)

ブラザー工業の100周年事業として2008年にスタートした「東海若手起業塾」は、地域や社会から必要とされる若手起業家の育成を掲げて、2016年3月までに8期38名(35組)の起業家への支援を実施し、現在は第9期生の支援に取り組んでいます。


今回は、岐阜県関市の地域活性化を目指して事業展開する、NPO法人せき・まちづくりNPOぶうめらん代表理事・北村隆幸さん(第2期OB)のもとを訪問しました。中間支援とメディア配信を主な事業としながら、今年10月にはぎふNPOセンター副理事長に就任し、活躍の場が広がっています。「まちづくり」という言葉には多くの意味が含まれますが、北村さんが行っている「まちづくり」についてもお話を聞きました。


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  (左:関市非公認キャラクター「ぶう」 右:北村隆幸さん)

●起業塾にエントリーしたきっかけを教えてください。


北村:当時はNPOを立ち上げて間もない頃で、発行していたフリーマガジンの後につながる事業が思いつかずにいました。そんな時に起業塾の関係者からお声がけいただき、エントリーを決めました。

経営面とまちづくりの両方のためになることは何かという考えを深めたり、事業案を固めたかったということもありますし、その当時は事業計画をはじめとする経営面に関しても知識がなかったので、併せて学ぶことができればと思いました。



●起業塾ではどんな取り組みをしましたか?


北村: 関市の伝統産業である刃物製造をどうにか盛り上げたいという思いが昔からあるのですが、製造元などにヒアリングをしていると刃物づくりに関わる「職人」、特に研ぎ師などの、専門の職人が減ってきているということがわかりました。そこで、職人にスポットを当てた連載取材のメディア配信を行いました。


また、メンターから「結局、刃物会社の刃物の売り上げが上がらないと根本的な解決にはつながらない」とのアドバイスから、アウトドアに包丁ではなくキッチンバサミで料理をするというコンセプトで「アウトドアキッチンバサミプロジェクト」を発足しました。卒業後は、塾中に練りあげた事業計画を実行に移し、地元の刃物会社と共同でアウトドアに包丁を持っていかなくてもキッチンバサミで調理できるハサミを開発するプロジェクトを実施しました。



●東海若手起業塾にエントリーしたことで、ご自身の意識や行動はどのように変化しましたか?


北村:視野が広がったことが一番大きいです。社会の中で自分がどんな役割を担うことで目指す社会へ近づくことができるのか、誰の、何のために事業をするのかといった、自分軸ではなく、社会を軸にした考え方ができるようになりました。


また、メンターやOBOGから自分がやりたい事業に関するヒントをいただける人を紹介してもらい、普段ヒアリングできないような方の意見を聞くことでモノの売り方や発信の仕方を学ぶことができ、卒業後すぐに活かすことができました。


(第2期キックオフ合宿の様子。北村さんのプレゼンに注目する、メンターなど伴走支援者。)



●現在はどのような取り組みをされていますか?


北村:地図を見ると、関市の形がブーメランのようになっていることと、関市に若者が戻ってきてくれるようにという願い、2つの意味で名付けたフリーマガジン「ぶうめらん」は来年2017年で10周年になります。


昨年は、卒業後に進学や就職で県外へ移住してしまうケースの多い、「高校生」に向けたフリーマガジン「高校ぶうめらん」を発行しました。関市での働き方のイメージを持ってもらうことで、関へのUターンを選択肢のひとつとして考えてもらうために、高校生と連携したさまざまな企画を盛り込んでいます。


(「高校ぶうめらん」は、関市と隣の美濃市で学ぶすべての高校生に配布される。発行部数は4,000部。)


また、関市の刃物の風習や使い方といった風土教育や刃物を文化にしていくための取り組みとして、刃物の祭典の開催や起業塾で決まったアウトドアキッチンバサミプロジェクトに関しては、テレビで取り上げていただいたこともありました。今は休眠中ですが、いつか掘り起こしたいと思っています。


活動を続けていく中で、事業が多岐にわたり過ぎて、選択と集中した方が良いのではないかと悩んだ時期もありましたが、起業塾の卒業者プレゼンの機会に言われた「まちづくりという分野の柱は何本もあるもの。どんどんやりなさい」という言葉をいただけて、自信を持つことができ、今の事業の幅に現れていると思います。


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  (東海若手起業塾実行委員会事務局 小池)