こんにちは!東海若手起業塾、事務局のETIC.山内です。
先日、第一期生のいちじく農家(鈴木さん)のところにお邪魔してきました。
年間10t生産している鈴木さんのところは、愛知県で一番大きな作付面積を持つ農家です。愛知県は日本一番のいちじく生産高なので、鈴木さんのところは実質日本一ということになります。
その彼が何をしようとしているのか。
10tの生産のうち、1tが廃棄しなければならないのが現状です。朝4時に起きて育ててきたいちじくを、型くずれや完熟(いちじくは日持ちしないため、熟し過ぎると市場に出せません)が原因で、毎日穴を掘って、そこに捨てています。
でも食べられないことは決してなく、単に市場に出せないというのが理由です。完熟いちじくも食べましたが、凄く美味しい!
農家の生計はただでさえ苦しく、若者の担い手も少なく、このままでは未来の農業に対して強い不安を持っていて、この廃棄いちじくを何とか加工食品にして、新しい収入源にしたいというのが今回の目的です。
今回お邪魔して、大変勉強になったことがひとつあります。
これまで僕の浅はかな知識では、農家が生き残っていくためには直販(レストランなどの契約農家になることも含めて)のような形しかないのでは?と思っていました。
でも彼のこだわりは違いました。
ひとつの農家だけが儲かることを考えるのであればそれでもいい。でもみんなが自分のことだけを考え出すと、販路の取り合いになり、価格競争がおこる。農協とも喧嘩になり、農協そのものも衰退化していく。
全ての農家、農協がWin-Winになる関係を作らなければ、長期的な繁栄は決して考えられない。幸田町全体のいちじくブランドが高まり、みんなが繁栄することが、新しい担い手が増えていくことになり、安定した生産量を地域として確保することにもつながる。
だから、農協とも役割分担をして(加工食品は農協の管轄外で、彼らにとっても直販などで価格破壊を起こさない今回の提案は大歓迎とのこと)、周りの農家も巻き込み、みんなが儲かる仕組みを作りたい!というのが彼のこだわりです。
そのために、彼はいかにソフトドライいちじくを高付加価値商品にできるかにこだわっています。高付加価値にできれば、それだけ適正価格で周りの農家から廃棄いちじくを買い取ることができるからです。
どんなシーンで、どんなメニューとして食べて頂くことがブランド化につながるのか。これから解決しなければならない課題ですが、今後の鈴木さんのチャレンジにご注目ください!