SPECIAL INTERVIEW

OB・OGのスペシャルインタビュー

Voice

中井 恵美さん

特定非営利活動法人 子育て支援のNPOまめっこ  理事長

第11期生

活動地域:名古屋市

NPOアトツギの始まりを、東海若手起業塾と共に

東海若手起業塾にエントリーしたのは、「子育て支援のNPOまめっこ」の2代目理事長に就任したばかりで何をしたらいいか手探りの状態の時期でした。とある市民活動の会で当時の代表理事の毛受さんに出会い、事業継承も対象と知ったことが大きなきっかけになりました。理事長になる前は事務局長として既存事業の改善をしていく仕事が中心だったので、理事長としてどのようにゼロからイチを作ったら良いのだろうかと悩んでいました。

東海若手起業塾で、やりたいことをちゃんと実現するために必要な考え方、事業を立ち上げていくプロセスを知ろうと思ってエントリーしました

「社会に良さそうなことがしたいのか、それとも社会を変えたいのか」
改めて覚悟を問われた

キックオフ研修時に初めて11期の同期の仲間と出会いました。これから何かを始める人と今までお話ししたことがなかったので、熱意ある人たちに出会ってワクワクしました。 東海若手起業塾の前半では、子育てに関する課題をクリアにしていくために、育児休業を取得した当事者や、会社の人事部などに対してアンケート調査やインタビューをしました。やってみて特に印象に残っているのが、人事部や上司と当事者の間の意識の差です。こんなホワイトな会社からは、課題なんて洗い出せないかも?と思ったら、当事者はやっぱり困っていて、色々なことをギリギリで調整してなんとかやっていました。結婚して子供を産んで育休を取り、その後もキャリアを築くというのがいかに困難かという現実の厳しさを思い知りました。 その後は、アンケートで分かったことを元に、新しい事業を考えていきました。調査の結果は集まったけれど、これを使ってどうしたらいいのか?この大きな問題は果たして解決できるのか?この半年間で、次につながる何かは見つかるのか?と不安になりながらも、コーディネーターやプロボノの方と進めていきました。 チームのミーティングの中で、まめっこの強みを書き出したり、グラレコでビジュアル化したりして、この事業をどういう位置付けにするかを考えていきました。調査で浮かび上がったギャップを埋める方法を考えた時に、私たちの強みや、売り込みができそうなことを考えた結果、研修にたどり着きました。また、上司と部下がお互いの立場がわからないからギャップが生まれることを解決するために、溝に橋をかける1つのツールとして、カードゲームを考えました。 また東海若手起業塾のコネクションを使って、大学の先生や同業の先輩方にヒアリングをさせていただき、方向性が見えてきました。 実際2018年は、新拠点の応募もあって、通常業務も多かったです。新規事業に時間が割けない中で、課題の大きさに対してやれることが少なすぎて、やらなきゃいけないことがいっぱいあって、葛藤しました。事業を立ち上げる厳しさは身をもって体感しました。既存の事業を回しながら新しく事業を立ち上げるためには、労力の配分がすごく難しかったです。

「社会を変えるとはどういうことか?」という視点を得た

コロナウイルスの影響で、起業塾で考えた研修やボードゲームをそのまま活用することができない状況になってしまいましたが、オンラインでの子育て支援事業を手掛けたり、発達に不安のある子どもたちへの支援事業を開始したり、認定NPOの資格も取得したり、新しい挑戦を続けています。 東海若手起業塾で得たものは、「社会を変えるとはどういうことか?」という視点を持つことだと思います。課題はどこにあるのか?自分たちが感覚として持っている課題を、改めて捉え直す捉え方、調べ方というのは、東海若手起業塾で学んで、いま実際に使っていることです。 メンターの川北さんにもらった「社会を変えたいのか?」という問いを、今でも反芻しています。「言われたことだけをやっていても社会は変わらない。本当にそのやり方が合っているのか、解決に向かっているのか?」を起業塾で繰り返し問われたからこそ、今、自分の言葉で話せています。東海若手起業塾の考えは、漢方薬のような感じで身に染み込んでいく感じがします。繰り返し問われることで、考え方が身についていく。そのうち当たり前に使えるようになる。身につける前の状態を思い出せないほど、自分の血肉になったと思います。

Message

やってみたいことがあるなら、チャレンジしてみたらいい


その期間は大変だし、凹むことだらけ。でも気がついたら自分の力になっている。無駄じゃないと思います! 二代目はゼロイチをやらずに済んでしまうところがあります。私自身も、もし東海若手起業塾にチャレンジしなかったら、事業を立ち上げる経験はできなかったと思います。一人で考えていたら形にできないけど、このような場があると、不完全でも1回形にできる。1回作ってみることは、その後に必ず役に立ちます。何かやりたいことがあるけどどうしたらいいかわからない、やり始めたけど広がらない、という方はぜひ、挑戦してみてください!

中井 恵美さんのプロフィール