SPECIAL INTERVIEW

OB・OGのスペシャルインタビュー

Voice

玉川 幸枝さん

合同会社プロトビ

第10期生

活動地域:岐阜県瑞浪市

衰退する地元のタイル産業を盛り上げてものづくりの良さを伝えていきたい。

新たな商材やユーザーを生み出して 業界衰退に歯止めをかける!

私は2014年5月に東京で「合同会社プロトビ」を設立し、全国のものづくり企業を取材して発信する仕事をしていました。また、全国77社を取材した経験を活かし、さまざまな企業やプロジェクトの運営を手伝ってきました。私の実家は岐阜にて、タイルの表面を覆う「うわぐすり」とも呼ばれる釉薬の工場を経営しています。東京でプロジェクトマネジメントを手掛けた頃から、岐阜の実家のことや地元産業であるタイル業界が衰退していくことが気になりだし、2017年には拠点を岐阜に移し、タイル業界の衰退に歯止めをかけるために新しいプロジェクトを立ち上げようと本格的に動き出しました。

東海若手起業塾にエントリーしたのはその頃です。「岐阜発信のものづくりを全国に伝えていくためにはさらに視野を広げる必要がある」「衰退の一途をたどる産業を大きく方向転換させて、ビジネスを加速させていくためにはたくさんの人の力添えがほしい」と思ったのがきっかけです。
事実、地元のタイル産業は平成3年以降から業績が伸び悩み、今では最盛期の約3割までに落ち込んでいます。そんな業界に新たな一手を打つために、新しい商材を開発し、BtoBのマーケットをBtoCへと発展させることが狙いでした。

凝り固まった考えを
強い言葉でほぐしてくれた。

東海若手起業塾で最も印象に残っているのは中間発表の時のことです。何度もプランを説明しても、メンターから「ものづくり業界のオジサンから話を聞いているように感じる」と言われたのです。メンターは「玉川の考え方が凝り固まっている」と私に伝えたかったと思うのですが、最初は自分のことをわかってもらえないもどかしさでとても辛かったです。しかし、サポートメンバーにも支えられながら何度もプランを練るうちに、私は自分の見ている範囲でしか物事を考えていない…と気付きました。例えば、「タイルは目地があって当たり前」「タイルシールなんてタイルじゃない」と〝タイルはこういうモノである〟という固定概念に縛られている私がいたのです。それからは、今やろうとしていることを手放したり、疑ったりすることで凝り固まった考えが少しずつほぐれていき、文字通り〝裸一貫〟になれたときはステージが変わった!と視界がパーッと広がったのを実感しました。 また〝目的を明確化して事業を区別して考える〟という概念もここで学べた重要な事柄です。タイル業界を盛り上げたいと訴える私のプランを聞いたメンターから「実家を救いたいの?業界を救いたいの?」と問われました。つまり収益を上げることと業界に貢献することは別で考えるべきだと指摘されたのです。こうしたさまざまな角度からの指摘は普通にビジネスをしていて得られるモノではありません。毎回、たくさんの刺激を受けています。

サポートメンバーの協力があるからこそ
「必ずやる!」と意志が強くなる。

現在は3月11日の最終プレゼンに向けて、事業プランをブラッシュアップしています。「タイル業者1社1社の意識を変える取り組みを通じて、20社とコラボレーションし、各業者の売上を1割アップさせて4億円のマーケットを作り出す」というのが目標ですが、果たしてそれが本当に業界が望む姿なのか。何度も何度も視点を変えて考察しています。しかし、昼間は通常業務がある私にはあまり時間のゆとりがありません。そこで、サポートメンバーと週1回のスカイプ会議を行って進行管理をしています。ToDoリストをメンバーと共有して、何ができたか・できていないか、誰が何をするのか…などを毎回確認。さらに次に何をするべきなのかToDoリストの付け足しも行います。私だけでは手が足りない時はサポートメンバーにも協力してもらうことも。みんな自分の事業のように親身になって協力してくれるのでとても心強いですね。最終プレゼンでは考えて考えて考え抜いた結果をしっかり発表したいと思います。

Message

事業がうまくいっている人こそ
エントリーを。

東海若手起業塾は、〝事業をはじめたい〟〝事業を成長させたい〟など、さまざまな課題を持っている人がエントリーすると思われがちですが、私はむしろ事業がうまくいっていると思っている人にこそエントリーして欲しいと思います。そして「ココでぶちのめされるといい」と思います(笑)。東海若手起業塾は良い意味で今の自分に足りないモノを指摘してくれて、さらに進化するために足りないモノを補う道筋を教えてくれる場所です。

玉川 幸枝さんのプロフィール