「60歳が若手」の産業で、地元の若手起業家が創る新たな価値とは|静岡募集説明会レポ

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5月15日(火)に、静岡教育会館で塾生募集説明会を開催しました!
地域おこし協力隊の方や、金融機関の方、NPO活動を行なっている方、またOBOGの方も参加してくださいました。

「現在行なっている活動のブレイクスルーをしたい」といった起業家・起業家を目指している方の声だけでなく「起業家の考えていることを知りたい」という声も聞かれ、参加者同士の交流も活発な説明会になりました。

静岡会場のゲストは、3期OBであり有限会社ぬくもり工房代表の大高旭さん。江戸時代から続く遠州綿紬を残すべく、昔ながらの製法を受け継ぎつつ新しい可能性を探りながら普及と継承を目指しています。
今回は、エントリーまでの経緯や東海若手での経験、また今後の展開についてお話いただきました。

20代前半の頃は、名古屋で働いていたという大高さん。当時は大手ブランドの派手な衣服が好きだったそうですが、地元静岡に帰ってきた時に古いものの良さを感じたのだそう。
「若い頃は地元のことが分かっていなかったけど、地元のことを知るにつれて“地元って面白い!鳥肌の立つことがいっぱいある” と思うようになりました。」
地元の可能性を感じるにつれアイディアが浮かぶようになり、父親の営んでいた問屋から遠州綿紬の事業を独立させました。
そこから東海若手起業塾にエントリーしたそうですが、最初の研修では「悔しくて泣いてしまった」と大高さんは当時を振り返ります。

「当時は素材はあったけどどう言っていいのかが分からない状態で、メンターの方達に色々な意見を言われました。
地元には応援してくれる人は沢山いても、そこまで言ってくれる人はいませんでした。社長という立場になると、余計に言ってもらえなくなりますよね。
だからこそ、厳しい意見をもらったおかげで”やらんといかん!”という覚悟ができましたし、方向性が定まったと思います。」

▲ぬくもり工房のパンフレット
そんな大高さん、現在では名だたる会社との連携や海外との取引も行っているそうですが、今後は「働く人がやりがいを持って働くための立ち位置の確立をしていきたい」とのこと。
「60歳が若手と言われているこの業界では、まずこの産業を残すことが大事だと創業当時から思っていました。
そのために、働く人がやりがいを持って働くためのブランディングを行うこと、そして子どもたちに”地元に何かがある”と思ってもらうことが大切だと思っています。」

物を売るだけでなく、”人づくりやこと作り”にも取り組んでいる大高さん。
このように社会性のある活動を行なっているのは、東海若手起業塾で出来た軸の1つだと言います。
「地元のブランドとしてやっていくために、社会性や地元のものということを、そのまま言葉にすることなく外堀を埋めるように意識して活動しています。
物を使ってほしいと思う時、社会性というのは大事なワードだと思いますね。」
大高さんの話に、参加者の方からも「地域ブランドはみんなのものという意識が大事だと思った」「地域の一番星になること」「大高さんの話に刺激を受けた」などの感想をいただき、起業家として、地域で事業を行う人としてのエッセンスが得られた時間になったのではないかと思います。
募集説明会は5月17日に愛知会場、5月21日に三重会場で引き続き開催していくほか、WEB上での個別相談会は5月21日〜6月8日まで実施しています。
「目の前の仕事に精一杯で、今後の展開をしっかり考える時間が取れない…」「社会課題の解決とビジネスを両立させたい…」などの悩みを持つ起業家の方は、ぜひご参加ください!

詳細はこちらからご覧ください。