【イベントレポ】地域スタートアップの仕掛け人に聞く立ち上げ戦略

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6月3日にイベント「愛知・静岡発。地域スタートアップの仕掛け方」を開催しました。 東海若手起業塾14期の募集説明会をかねて開催したこのイベントには、東海地方でローカルな事業に関わる方が20名ほど参加しました。

この日のゲストは、東海若手起業塾11期生であり、NPO法人コネクトスポット 理事長の山下祐司さんと、同じく東海若手起業塾11期生であり、合同会社so-an 代表社員・NPO法人ローカルデザインネットワーク 理事長役の荒武優希 さん。福祉、そして観光の分野で事業を展開するお二人から、地域スタートアップの立ち上げから戦略まで様々なお話を伺いました。

まずはお二人から、それぞれの事業についてお話ししていただきました。

荒武さん:静岡県東伊豆町にある稲取という港町エリアで、空き家を活用する事業をしています。最初は地域おこし協力隊として働いていましたが、現在はNPO法人ローカルデザインネットワーク、それから合同会社so-anという2つの法人でまちづくり事業を行っています。

僕はこの街に5年前に移住してきたんですが、この好きな街並みがどんどん失われてきていることに課題意識を感じています。

そこで現在、リノベーションした3拠点を活用して地元の方や外から来る人に活用してもらえるようにしています。

1つが、シェアキッチンとチャレンジショップの「ダイロクキッチン」。2つ目が、海と山が見えるコワーキングスペース「EAST DOCK」。3つ目に、最近始めた合同会社で、1日1組限定の宿をしています。

ビジョンとして「空き物件を活用することを通して、観光客が歩いていないのを、目的地を増やして人の流れを増やしたい」と思っています。このまちで暮らす人の暮らしが豊かになれば、移動してくれたり消費が生まれるのではと思っています。

山下さん:生まれ育った場所である愛知県の岡崎市で、NPO法人コネクトスポットという団体で引きこもりの方の支援をしています。

もともと僕は、現場のプレイヤーとして専門職として病院で働いていました。病院というのは、社会に出られるように治療する役割です。しかし、僕はその社会そのものの生きづらさに課題を感じるようになって、社会自体を良くしたい、街を強くしたいと思うようになり、コネクトスポットを起業して不登校やひきこもりの子の支援をしています。

僕は人とのつながりをどうデザインするかを考えています。今の地域では、障がいのある方が分断されていて、一度レールを外れると、機会や接点を失ってしまいます。この分断を無くして、いろんな人がここで暮らせて良かったと思うようにしたいと思って事業をしています。

事業内容としては、訪問支援と、引きこもりの方へ居場所提供、そして就労支援(社会参加支援)をしています。また、地域のプラットフォームを作ることにも取り組んでいます。イベント事業や講演・研修、また最近はローカルメディア事業に力を入れています。

移住先で、そして地元で地域スタートアップを仕掛けるお二人ですが、事業の始めたてはどのようなことをしていたのでしょうか?

山下さん:最初はフリーランスとして起業して、1人の岡崎市民として色んな方に頭を下げて会いに行きました。「こういう町にしたい、岡崎をよくしたい!」と話をしていくことで、みんな応援してくれましたし、不登校や引きこもりにどんな人が関わっているかというステークホルダーの把握ができました。フリーランスは看板がない、利害関係のない市民なので、すごく色んな人に会いやすかったですね。

荒武さん:最初は地域おこし協力隊として活動していました。当初はNPOを作って、その一本だけでと思っていたんですが、NPOだけでは古民家を活用仕切れないことが分かってきました。また、古民家を人に持ちかけるよる先に、自分たちが活用して事業化できている状態にしないとと思って、自主事業として宿を始めました。

では、まさに今!仕掛けていることはなんでしょうか?

山下さん:今仕掛けているのは、いきづらさを抱えて支援を探している人への情報が載っているローカルサイトの運営です。「コネクトスポットが強くなるんじゃなくて地域が強くなる」「みんなで岡崎市を良くする」ことを目指して、①当事者が迷わず相談先にたどり着けるように ②プレイヤーがたくさんいる中核都市で、プレイヤーたちが協働できるように ということを目的にしています。

荒武さん:現在は、関係人口創出やシティプロモーションの文脈で、コワーキングスペースの運営を行政と一緒に推進しています。宿は、夏に向けて2軒目の準備をしています。コロナウイルスの影響もあり、首都圏に行って直接お客さんをを連れてくるのことがまだまだできていないので、今後やっていきたいと思っています。

最後に「地域スタートアップに必要な事やポイント」を教えていただきました!

山下さん:新しいことを始めたいと相談に来る方に必ず伝えるのが「仲間を作ること」。お客さんではなく、どうすればいいかを一緒に考えられる仲間です。

応援だけではなくて、志を共にして、一緒に責任を持って戦略を考えることが出来る仲間がいるかどうかがとても大きいと思います。

荒武さん:伊豆で残ってやっていけてるのは、諦めなかったこと、そして東海若手起業塾のおかげだと思っています。東海若手で自分の生き方の軸ができて言語化できました。それが今でもずっと生きていて、稲取というエリアに落とし込まれて、自分たちが楽しく豊かに暮らせることを目指して事業を行っています。これからも精進していきたいと思います!

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地域や社会に真に必要とされる起業家を育てる東海若手起業塾では、地域に根付き、地域に必要とされる起業家を支援しています。

毎年5月頃に塾生募集をおこなっていますので、ぜひチェックしてください。 (事務局 古井)